皮膚科 

皮膚科では、手足、顔、身体から耳、鼻、口の中まで、目で見える範囲の皮膚の病気や、爪や毛髪の病気を扱います。

小さなお子様からご高齢の方まで、また湿疹や虫刺されなどの急性のものから、慢性・難治性の皮膚の病気まで、幅広く診療いたします。

皮膚の痛み、かゆみ、かぶれ、腫れなどの症状は、まず肉眼で十分に診察し、症状の経過を伺い、必要に応じて検査を行った後に、診断・治療します。
なお、当院外来で検査・処置が難しい場合には、近隣の皮膚科をご紹介する場合がございます。あらかじめご了承のほどお願い申し上げます。

皮膚科で扱う主な疾患

対象疾患

  • アトピー性皮膚炎など湿疹・皮膚炎群
  • 蕁麻疹
  • 尋常性乾癬・掌蹠膿疱症
  • 薬疹
  • 自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)
  • 膠原病・血管炎(皮膚膠原病、皮膚血管炎、各種膠原病による皮膚症状)
  • 皮膚感染症(蜂窩織炎、丹毒、伝染性膿痂疹、足白癬・爪白癬、ウイルス性イボ、帯状疱疹、ヘルペスなど)
  • 褥瘡・皮膚潰瘍(治りにくい傷の診断と治療)
  • 円形脱毛症
  • 尋常性白斑
  • ニキビ(ざ瘡)
  • 多汗症
  • 爪甲の異常
  • 老人性イボ・粉瘤・脂肪腫など
  • 皮膚色素沈着症

小さなお子さんに多いもの

  • 伝染性膿痂疹(とびひ)
  • 乳児湿疹
  • おむつかぶれ
  • アトピー性皮膚炎
  • 伝染性軟属腫(水いぼ)
  • 尋常性疣贅(いぼ)
  • 伝染性紅斑(りんご病)
  • 手足口病
  • 水痘(水ぼうそう)

皮膚科でよくみる疾患

湿疹、皮膚炎

皮膚の表面に起きる炎症をまとめて「湿疹(皮膚炎)」といいます。皮膚が赤くなったり、かゆみが出たり、かぶれたり、水ぶくれができたりなど、様々な種類の湿疹があります。その湿疹の原因が何かを特定し、それぞれの原因に応じて外用薬や内服薬などにより適切な治療を行います。

水虫(足白癬)

水虫とは、白癬菌が皮膚に感染して起こる病気で、主に足に起こるものをいいます。白癬菌は足だけでなく、頭部、手、爪、股など、体の皮膚のどこにでも感染します。治療としては、抗真菌薬の外用薬のほか、治りにくい場合には内服薬を使うこともあります。

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う、慢性的な皮膚の炎症です。アトピー性皮膚炎の起こる原因として、皮膚の乾燥とバリアー機能異常に、様々な刺激やアレルギー反応が加わって起こると考えられています。主な治療として、保湿に加えて、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏などを使用します。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が初めて感染すると、水痘(みずぼうそう)になります。この時に、神経に潜伏感染したウイルスが、何らかの誘因で再活性化して発症するのが帯状疱疹です。誘因として、過労、ストレス、がんなどの免疫力の低下などがあげられます。帯状疱疹では、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に現れます。神経の分布に沿った痛み、知覚異常、かゆみを感じます。治療としては、抗ウイルス薬の内服をなるべく早く始めることが効果的です。発疹が治った後も痛みが続く、帯状疱疹後神経痛を起こすこともあります。

ヘルペス

単純ヘルペスウイルスの感染や再活性化により、皮膚や粘膜に小水疱やびらん(ただれ)を起こす病気です。治療として、抗ウイルス薬の内服や、外用薬を使用します。

にきび(尋常性ざ瘡)

皮脂(皮膚のあぶら)の分泌が多かったり、毛穴の先が詰まったりすると、毛穴の中に皮脂がたまった状態になり、これを白にきび、黒にきび(面皰)といいます。ここにアクネ菌が増えて炎症を起こすと、赤いぶつぶつしたにきびや、膿がたまったにきびを起こします。炎症が強くなると、ケロイド状に盛り上がったり、へこんだりして痕を残すこともあります。治療としては、毛穴を詰まりにくくする薬や、アクネ菌や炎症に対する抗生物質の内服薬、外用薬を使います。日常生活では、ストレスの少ない規則正しい生活をし、にきびを潰したり、触ったりするなどの刺激を与えないようにしましょう。

巻き爪、陥入爪

巻き爪は、爪が丸まって、皮膚に食い込んでいる状態のことをいいます。きつい靴を履くことや、間違った爪切りの仕方などが原因で起こります。一方で、陥入爪は爪の角(とげ)が皮膚に食い込んで炎症を起こした状態です。治療としては、食い込んだ部分にコットンを詰める処置などを行います。

とこずれ(褥瘡)

褥瘡とは、皮膚が長時間圧迫されることにより、皮膚、皮下脂肪組織、筋肉への血流が途絶えて、これらの組織が死んでしまった状態(壊死)のことをいいます。寝たきりなどで、ご自身で体の向きを変えられない人では、褥瘡ができやすくなります。褥瘡を予防するためには、こまめに体の向きを変えたり、圧迫を広い面積に分散させる寝具を用いたりすることが効果的です。褥瘡の治療としては、壊死した部分を切除したり、皮膚の上皮化を促す外用薬を使用したりします。

円形脱毛症

脱毛症には、男性型、円形脱毛症、ホルモン異常による脱毛、加齢による脱毛など、様々なタイプがあります。そのうち円形脱毛症は、コインのように円く脱毛する単発型が基本ですが、1箇所だけでなく、多発することもあります。円形脱毛症は、自己免疫などにより、成長期の毛根がリンパ球の攻撃を受けて壊されてしまうことが原因と考えられています。精神的ストレスが誘因となることもありますが、多くの人は関係なく起こります。また、患者さんの2割ほどには家族歴があります。軽症の場合には特別な治療をせずに自然に治りますが、広範な場合はステロイド外用薬、グリチルリチン、セファランチンの内服を行います。

アレルギー科

アレルギー科とは、アレルギー物質が原因で、目や鼻、耳、皮膚、気管、気管支などに色々な症状が起こる病気を、診断、治療する診療科です。

代表的な病気として、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などがあります。

アレルギー疾患診療では、まずはお薬での対症療法を行いますが、患者さんのご希望に応じて、可能であれば根治(→舌下免疫療法)を目指したり、また対症療法薬を最小限にするための治療を行います。

花粉症のイメージ写真

舌下免疫療法とは、スギ花粉やダニによるアレルギーを治療する、アレルゲン免疫療法のひとつで、保険適用で行うことができます。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、風邪をひいたわけでもないのに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが起こる、鼻粘膜の炎症です。
鼻の症状以外にも、喉のかゆみ・イガイガ感、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、頭痛、思考力が低下する、いらいらする、疲れやすい、眠れないなどの症状が現れる人もいます。
また鼻づまりのために無意識のうちに口呼吸になり、口や喉が乾燥して風邪をひきやすくなるという人もいます。

症状の現れ方には個人差がありますが、症状が重い場合には、仕事や勉強に支障が出てしまうこともあります。

アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンは、日常生活の中で接する、動植物や室内のハウスダスト(ダニ)・カビなど様々です。
アレルギー性鼻炎は、アレルギーの原因によって、季節性アレルギー性鼻炎と、通年性アレルギー性鼻炎に大きく分けられます。

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

季節性アレルギー性鼻炎とは、一般に「花粉症」といわれます。
スギ、ヒノキ、カモガヤなどの植物の花粉を鼻から吸い込むことで発症するため、その花粉が飛ぶ季節のみに症状が現れるのが特徴的です。

日本人の約30%に何らかの花粉症があり、そのうちの約9割がスギ花粉症といわれています。
つまり、スギ花粉症は日本人の4人に1人が持っている症状といえます。

通年性アレルギー性鼻炎

通年性アレルギー性鼻炎とは、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などがアレルゲンとなり、季節によらず一年を通してアレルギー症状が現れる病気です。
日本人の約4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎であるといわれています。
アレルギー性鼻炎患者さんの約6割は、ダニに対するアレルギーがあります。
アレルゲンとなるダニは、コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニという小さなダニです。
「チリダニ」とも呼ばれ、家の中の暖かく、湿気のある布団や絨毯、畳などを好んで生息しています。
これらのダニのフンや死がいが原因となりアレルギーを引き起こします。

また、ハウスダストも、ダニと同じく通年性アレルギー性鼻炎の原因として知られています。
ハウスダストとは、小さなほこりのことで、ダニの死がい・フン、ペットの毛、花粉、カビ、細菌などさまざまなアレルゲンも含んでいます。
このうち、ダニの死がい・フンはハウスダストアレルギーの主要な原因と考えられています。

アレルギー性鼻炎の治療

日常生活でアレルゲンを除去したり、回避することで症状が起こりにくくなりますが、それでも症状がつらい場合には治療が必要です。
アレルギー性鼻炎には、主に2つの治療法があります。

ひとつは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状をやわらげたりおさえたりする薬物療法(対症療法)で、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などの内服・外用をします。

もうひとつは、アレルギーそのものを治療することで、原因となるアレルゲンに対しての体質改善を期待できるアレルゲン免疫療法(根本治療)です。

アレルゲン免疫療法は100年以上も前から行われている治療法で、からだをアレルゲンに徐々に慣らしていくことで、徐々に症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できます。
アレルゲン免疫療法には、皮下免疫療法と舌下免疫療法の2種類があります。

舌下免疫療法とは(保険適用です!)

舌下免疫療法とは、スギ花粉やダニによるアレルギーを治療する、アレルゲン免疫療法のひとつで、保険適用で行うことができます。
アレルゲン免疫療法として、いままでアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われてきましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。
皮下免疫療法に比べて舌下免疫療法は安全性が高く、5歳以上であれば大人も子どもも治療可能です。

具体的には、問診や血液検査などでスギやダニに対するアレルギー性鼻炎の診断をうけたのち、1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を3~5年間にわたり継続して服用します。
初めての服用は、重大な副作用が出ないか確認するため医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。
正しく治療が行われると、アレルギー症状が治ったり、長期にわたって症状をやわらげたり、アレルギー治療薬を減らせる効果が期待できます。

舌下免疫療法は、数年間にわたり定期的な通院と治療が必要な治療ですが、当院ではオンライン診療を併用することで、通院の負担を軽くすることができます。
仕事や学校などでお忙しい方も、ぜひご相談ください。

※スギ花粉症は、スギ花粉がとんでいない時期に治療開始します。
ダニアレルギー性鼻炎は、時期に関わらず治療を始められます。

このような方はご相談ください

  • 花粉症の症状(鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど)がつらい
  • 花粉症の時期は、外出するときにマスクやゴーグルを欠かせない
  • 花粉症の時期は、ぼーっとして仕事や勉強がはかどらない
  • 一年を通して鼻水が続いている
  • アレルギー治療薬を飲む量を減らしたい など

自費診療

当院では、以下の保険外診療にも対応しています。
その他、ご希望の自費診療がありましたら、ご相談ください。

プラセンタ注射

プラセンタ注射剤には、胎盤から抽出される成長因子や、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、酵素などの栄養素が豊富に含まれます。

プラセンタの効果として、疲労回復、免疫機能や自然治癒力の向上、血行改善(冷え性、肩こり、腰痛)、抗酸化作用(エイジングケア)、美肌効果、ホルモンバランスの改善、抗アレルギー作用(アトピー、にきび)、肝機能増強などが期待されています。

【治療費用】プラセンタ(メルスモン)1アンプル 1,500円+税、2アンプル 2,500円+税

※45歳~59歳の女性の方では、更年期障害の治療としてプラセンタ注射を行う場合、保険適応になります。更年期障害がある場合は、医師へご相談ください。